【お菓子の店 さきがけ】町の優しいお菓子屋と不思議な水まんじゅう

水なのにまんじゅうとはこれいかに? 夏の風物詩『水まんじゅう』は、なんとも謎めいたお菓子です。
7月17日配布の「リビング高松」に掲載の『あん小話』では、そのミステリアスな魅力に誘われて、太田上町の「お菓子の店 さきがけ」さんへ取材に行ってきました。

お店は琴電太田駅の近く、県道147号(太田上町志度線)沿いにある、蔵のような佇まいの外観が目印です。駐車場は店舗の東側と、西側の細道を入った建物裏の2カ所にあります。交通量の多い道に面しているので、運転には細心のご注意を。

1972年に創業したこちらのお店は、現在は2代目の店主さんがお店を切り盛りされています 。店内に所狭しと並ぶ和洋菓子の豊富さには驚かされますが、創業当初から和菓子だけでなくケーキも販売していたそうです。「市街地のデパートまで行かなくても、地元でおいしいお菓子が食べられる!」当時の子どもたちのワクワクした心境が想像できますね。

「特別な日だけでなく、家族みんなで普段から食べてもらいたい」という想いが詰まったお菓子は、どれもどこかホッとする飾らない佇まい。ご進物用はもちろん、地元の人々が日常のおやつを気軽に買い求めに来る、地域に欠かせないお店です。

そんな「さきがけ」さんで、私を惹きつけてやまないのが「水まんじゅう」です。 夏になるたび楽しみにしているのですが、よく考えると不思議な食べ物ですよね。わらび餅や寒天とも違う、みずみずしいのにもっちりとした食感の正体は、葛粉とデンプン。この配合のおかげで、冷蔵庫に入れても固くなりにくいのだそうです。中のこし餡はなめらかで、豊かな甘みが冷茶と相性抜群です。

今回は上生菓子もいただきました。お茶のお稽古用に購入する方も多いそうで、さきがけさんの昔ながらのしっかりとした甘みは、抹茶の苦味を引き立ててくれそうです。「甘さ控えめ」が昨今の流行ですが、素材の味が活きていれば、バランスが整ってくどさを感じない優しい甘みになります。「やっぱりこれがいいね」と安心できる味わいです。

それにしても、季節ごとに変わる上生菓子が、一度にこれほど多くの種類並んでいるなんて驚き!
常連さんが週に2回お稽古をされるため、毎回違うお菓子を用意しているうちに自然と増えていったのだとか。
さらに「このお値段でいいの?」と言いたくなるほどリーズナブル。実は、中学校の茶道部も利用しているため、生徒たちが買いやすい価格を維持しているそうです。物価高騰の世の中で、この優しさは並大抵のことではありません……。

穏やかな店主さんのお人柄に触れ、ますます「推せるお店」になりました。これからも、身近な街の素敵なお菓子屋さんを応援していきます!


お菓子の店 さきがけ(おかしのみせ さきがけ)
所在地:香川県高松市太田上町784−41
電話番号:087-865-1438
営業時間:午前9時~午後7時30分
定休日:水曜(祝日の場合は翌木曜)